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 外は雪。マメコバチの成虫は、アシガヤの中に作ったマユの中で春が来るのをじっと待っています。
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 雪国の津軽にも春がやってきて、タンポポの花が咲き、リンゴの白い花が咲きはじめる五月上旬頃になると、ながかった冬眠からさめたマメコバチ達は、いよいよアシガヤから脱出をはじめます。
 アシガヤからの脱出は先に出て、後から雌が出てくるのを待って、すぐ交尾をはじめます(写真の上が雄)。雄はその後まもなく死んでしまうのです。
 交尾を終えた雌蜂は開花したりんごの花から花へと一生懸命とびまわり、やすむことなく花粉を集めてはアシガヤの中へと運びます。この時マメコバチが腹部に抱え集めたオシベの花粉が他の品種のメシベの柱頭に自然にくっつき、授精となり、りんごの実が出来るのです。
 アシガヤの中でマメコバチは、やがて生まれてくる幼虫のために花粉のダンゴをつくっては産卵をします。土壁で1部屋づつ区切った巣作りを続け、お天気の良い日には一日に2部屋くらいつくります。一匹のメスの産卵数は平均すると10個〜20個くらいで、奥の方にメスを、手前の方にオスを産み分け、その割合はオス・メス約半々位です。
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 生まれた幼虫は花粉ダンゴを食べてどんどん大きくなります。(6月上旬)
 先に生まれて大きくなりきった幼虫から、順次マユづくりを始めます。
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 マメコバチの働きによって授粉し、りんごが大きくなって色づく頃、成虫になったマメコバチはマユの中でやってくる冬にそなえて、深い休眠に入ります。
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