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11.着色手入れと落果防止 |
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1) 着色手入れ (1) 実施時期 着色手入れの品種別実施時期は、下図に示したとおりであるが、年によって熟期に遅速があるので、それに応じて時期を前後させる。また、無袋栽培の場合は有袋栽培のものより時期を多少早める。
さんさ、未希ライフ、あおり9、あおり13、こうたろう、あおり15はわい性台利用樹

(2) 作業の進め方 ア支柱の位置を動かしたり、小枝を縄で吊り上げたり、不要な徒長枝を剪去して樹冠の内部に十分日光を入れる。 イ葉摘みは初め果実に密着した葉を摘む程度にとどめ、その後数回に分けて果実に日陰をつくる葉を摘み取る。有袋栽培では除袋後から行う。
(3) 注意点 ア着色だけを考えて早くから強く葉を取り過ぎると、鮮明な色がつかないばかりか食味を低下させる。 イ着色を良くするために、反射資材などの使用が多いが、着色の良いわりに味が伴わないことがあるので、剪定や徒長枝整理など栽培管理面で受光態勢を良くすることに努め、反射資材などはできるだけ省くように努める。 ウ無袋の陸奥、王林の葉摘みは果実に付着した葉を摘む程度にとどめる。北斗の葉摘みも一般品種よりやや弱めに行う。 エ着色が進んでも収穫を早くし過ぎないように、特に着色系や反射資材使用の場合に十分注意する。 オつがるに対して着色増進剤(マデック乳剤)散布、8月上旬以前の早期のストッポール液剤散布、及びこれら両剤の併用又は混用散布すると果実が軟化することが多いので行わない。 |
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2) 落果防止 (1) 落果防止剤の使い方 落果防止剤にはストッポール液剤を使用し、表のとおり使用の基準を厳守する。本剤は単用散布とする。また、葉から吸収されて効果を出すので葉に十分かかるようにする。葉摘みは本剤散布4〜5日後から始める。

(2) ストッポール液剤使用上の注意 ア ながいもの変形など他の作物に対して害作用があるため、絶対かからないようにする。 イ つがるに対して伸長中の新梢の先端部枝葉に薬害が出ることがあるので、徒長枝が多めの樹には高温時(28℃以上)の散布を行わない。 ウ 果実の熱度を進ませる傾向があるので、収穫あるいは販売を遅らせないようにする。 エ 本剤を2回又はそれ以上散布したり、つがるの早出しを目的に極端な早期散布をしたり、また、着色増進剤等と併用すると果実の軟化や油あがりが著しく早まるほか、年によっては裂果やつる元の腐敗などが多くみられるので基準以外の使い方は行わない。 |
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