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目次
普通栽培
1.月別主要作業
2.品種と栽植
3.整枝剪定
4.主要病害の防除
5.主要害虫の防除
6.農薬の安全使用
7.スピードスプレーヤによる
 防除効果をあげるために
8.授粉
9.摘花・摘果
10.袋かけと除袋
11.着色手入れと落果防止
12.収穫と貯蔵
13.土壌改良
14.水田転換園の土壌改良対策
15.土壊管理
16.施肥
17.生理障害対策
18.災害対策
19.鳥獣害対策
わいか栽培
1.わい化の目標
2.栽植までの準備
3.栽植
4.整枝勢定
5.一般栽培管理

2.品種と栽植
1) 品種構成品種の構成に当たっては、個々の品種の特性と需要の動向を十分把握して、その地域の気象、土壌などの自然環境条件及び農家の経営規模、労力事情などの経営条件にあった品種を選ぶようにする。



(1) 品種の位置づけ
既存の品種を経営の基幹となる基本品種と、ある程度需要が見込まれ、経営の補助となる補助品種に大別し選択する。また、新しい品種については栽培特性、地域適応性、需要の動向を把握するために、試作品種として検討する。
2) 品種の更新
更新のやり方には種々の方法があり、それぞれに得失があるので、園地の状況や経営内容などによって更新方法を決める。

(1) 苗木更新
老齢樹や障害樹、欠木の多い低位生産園の場合、苗木による更新を行う。なお、苗木更新に当たっては、健全でしかも2、3年肥培した苗木を用いるのがよい。また、改植障害回避のため、伐採樹の抜根を完全に行うとともに土壌消毒、土壌改良を行う(「土壌改良」の項を参照)。

ア 皆伐更新
徹底した土壌改良や計画的栽植ができ、樹齢も揃えられ、管理がしやすい利点がある反面、一挙に経費がかかり、収量が2〜3年皆無になるなどの欠点もある。10a当たり収量が1.6t以下の場合は、この方式による更新をすすめる。なお、改植の必要な園が経営全体からみて大きな比率を占めるときは、年次計画を立てて実施する。

イ 間伐更新
更新対象樹が散在している場合に行う。また、更新対象樹がまとまってある園でも密植園の場合には老木や障害樹から伐採するか、規則的に行い跡地に苗木を植えて、既存樹を切り詰めていく。この方法は収量をあまり落とさず更新できるが、更新に長期間を要することや、改植障害及び既存樹の影響で苗木の生育が思わしくないなど問題がある。

ウ 間植更新
比較的粗植な園に適し、更新対象樹の樹間に苗木を植え、数年後には更新対象樹の伐採を行っていく方法である。収量をあまり落とさず、更新も皆伐更新に次いで早いが、樹列が乱れてスピードスプレーヤの走行に支障をきたしたり、苗木に日当たりが不十分で生育が不良となることなどがあるので、苗木が大きくなり、成り始めてきたら思い切って更新対象樹の切りつめ、伐採を行う。

(2) 高接ぎ更新
更新樹の収量を落とさず、あるいは早期結実を図るためには、高接ぎ更新が有利である。高接ぎ更新に当たっては高接病の予防対策に十分配慮する必要があるが、発生を皆無にすることは難しいので、予め肥培苗木の養成や寄せ接ぎ用の実生を用意する。

ア 高壌ぎ実施上の留意点
(ァ) 高接病の防止対策を徹底する。
(ィ) 漸進更新か一挙更新かを決定する
(ゥ) 更新後、樹形が乱れないようにするため、樹の骨格を生かせるような接ぎ方をする。

イ 高まぎのやり方
(ァ) 高接ぎには少し太めの穂木(直径6〜10mm)を使用する。1樹当たりの接ぎ木本数は樹冠の大きさによって異なるが、およその本数は次表のとおりで、樹齢30年生以上の成木の場合、一挙更新では50本前後、漸進更新では15本前後が適当である。なお、接ぎ穂及び労力が十分ある場合は多めに接ぎ木した方が初期収量が多く、樹形作りもしやすくなる。しかし、一挙更新において接ぎ木本数が不足気味な場合は、樹勢維持のために接ぎ穂の生育に邪魔にならない中間台の枝をいくらか残すようにする。

(ィ) 接ぎ木方法としては接ぎ木部によって切接ぎ、割接ぎ、皮下接ぎ、L型接ぎなどの方法がある。割接ぎは能率が良くないが、風害による折損が少ない。 (ゥ) 枝の背面から出た新梢に接ぐと、枝が直立して整枝上不便であり、また結実も遅れるので、側面から出た新梢に接ぐ。



ウ 高接ぎ後の管理
(ァ) 芽かき
枝接ぎ、芽接ぎを問わず、春には接ぎ木部の周辺の潜芽からたくさん発芽するので、指やはさみで芽かきをする。芽接ぎの場合は、翌春接いだ芽の発芽直前に接ぎ木部から先の枝を剪去するが、その時に1回目の芽かきを行う。その後は一般管理の徒長枝切りに準じて実施する。

(ィ) 誘引と捻枝
接いだ枝をうまく配置し、また成りを早めるために立ちすぎた枝や方向の不適当な枝を誘引したり、捻枝を行う。時期は6月下旬から7月上旬ころが適当である。

(ゥ) ビーエー液剤の散布
接ぎ木活着後、新梢30〜50cmくらいに伸びた時(6月中・下旬)にふじ、北斗、ジョナゴールドでは100倍液を、つがる、千秋、王林では50倍液を接ぎ穂から出た新梢全体に散布し、枝の量の確保と早期結実を図る(「わい化栽培」の項を参照)。

(ォ) その他
高接ぎ2年目から毎年軽い先刈りで分枝を多くする。一挙更新したものは2〜3年無肥料とする。発育枝の出にくい樹を一挙更新すると、枝や亜主枝に日焼けが発生するおそれがあるので白塗剤を塗るか、わら、肥料袋などを巻き付けて防止する。一挙更新では腐らん病及び銀葉病菌が侵入しやすいので、切口にバッチレートを塗布する。

(3) 高接病の防止対策
現在、県内には高接病ウイルス無毒樹が少ないので無毒の穂木を増殖しながら高接ぎ更新に利用する。

ア 高接病ウイルスの検定方法
県内には無毒樹が不足しているので生産者が自らコホクカイドウによる検定を行い、無毒樹を捜して無毒穂木の供給源とする。コホクカイドウを用いると高接病の病原ウイルスであるACLSVやASPVなどを検定できるので利用する。

病徴の観察:接ぎ木後12〜20日後にコホクカイドウの新梢及び新梢葉に先枯れ、褐色斑点、赤色斑点、白色斑点、奇形葉、反集などの症状が単独又は重複して現われる。これらの症状が全く発生しない樹を健全樹とする。

イ 指標植物と無毒樹の繁殖及び管理
指標植物であるコホクカイドウと無毒樹は他の品種、台木を一度も接ぎ木したことのない実生に接ぎ木して繁殖する。接ぎ木した苗木には適宜施肥、かん水を行うとともに、病害虫の防除を行って生育を良好にする。なお、繁殖中の苗木には他の品種、台木を絶対に接ぎ木しない。

ウ 高接病の回避策
無毒母樹からの穂木が足りない場合は次の要領で高接ぎを実施し、母樹の効果的活用を図る。

(ァ) 更新樹がミツバ台木、コバノズミ台木及び不明である場合は必ず無毒母樹から取った穂木を利用する

(ィ) 更新樹がマルバ台木である場合は無毒母樹からの穂木が最も安全であるが、入手できない場合はマルバ台木に高接ぎされて4〜5年以上健全に生育している樹から穂木を採取して利用する。

(ゥ) 更新樹がM系台木又は実生台木の場合は高接病が発生しない。
3) 苗木の養成と肥培
(1) 苗木の短期養成法
マルバ台苗木のつくり方としては、あらかじめ台木を繁殖してこれに品種を接いで養成しているのが一般的である。この方法では定植できる苗木に育つのに2〜3年を要するので圃場の利用効率が悪く、労力等管理費用がかさむ難点がある。このため、マルバ(挿穂)に品種を接ぎ木し、これを挿し木する1年育苗法を行う。なお、本育苗法の露地挿しは、1年で良苗を得るには困難なので挿し木箱が必要である。従来の育苗法に比較して苗木の自家生産が極めて容易で、大量の苗を短期間に安価で育成できる利点がある。

ア 挿し木箱
発泡スチロール箱(内法52×32×22cm)の底部に直径1.5cmの排水口を6個位あけて使う。

イ 用土
(ァ) 火山灰土(黒ボク土)がよいが、沖積土を使う場合は川砂を半量程度混ぜて使う。用土にはリンゴ跡地土壌、紋羽病発生土壌など育成に支障のある土壌は選ばない。土は礫を除き細かく砕いて使う。

(ィ) 用土を挿し木箱に入れる手順としては最初に小石を2〜3cm入れ、その上に用土を17cm位の厚さに入れる。かん水のために上方を2cmあける。用土の地表面は黒いポリフィルムで被覆する。準備ができた箱は垂木にのせて管理する。

ウ 穂木の採取と調整
(ァ) 挿し穂の台木は休眠期に下垂型でウイルスを保毒していない樹齢のごく若い樹から採取する。この際、枝は真っ直ぐに伸びた1年枝で、太さは太い方がよく、少なくとも基部径は0.7cmが必要である。挿し穂には長さ20cmに切って使う。

(ィ) 接ぎ穂は品種、系統が確かでウイルスの保毒がなく、花芽のない、腋芽の充実した1年枝を休眠期に採取する。接ぎ穂には芽の充実している枝の中央部を3芽で切り、1芽分の長さを台木との接合部位にあてる。

エ 接ぎ木
挿し木する前に台木へ品種を切り接ぎするが、台木と品種の接合部位が短くならないよう注意する。接ぎ木後は接ぎ穂に接ぎ木袋をかける。

オ 挿し木
(ァ) 拝し木時期は4月中旬ころが適期である。

(ィ) 1箱当たりの挿し木本数は少ないほど良苗となるが、拝し木後の管理が適切であれば10〜15本でもよい。

(ゥ) 挿し木する時は、挿し穂の基部を2cm位斜めに切って、深さ10cmに挿す。この場合、挿し穂をポリフィルムの上から直接挿さないで、あらかじめ穴を開けてから行う。



カ 接ぎ木後の管理
(ァ) 接ぎ木袋に通気口を付ける時期は袋内で新梢が多少曲がる位伸びた時とし、大気には徐々に慣らすように切口を最初から大きくしない。

(ィ) 施肥は5月末から8月まで、育苗用肥料(ポット肥料:N成分15%)の100倍液を月に2回、1回当たり5lを施す。

(ゥ) かん水は地表面が乾いたら随時行うが、7月から9月の暑い日は毎日かん水する。

(ェ) 接ぎ穂から出た余分な新梢や台木から出た新梢の剪去は、心枝とする新梢の長さが10cmに伸びた頃に、心枝とするものを残して他を剪去する。不要な新梢は7月ころまで発生するので数回にわたって剪去する。

(ォ) 病害虫の防除は5月下句ころから必要である。既存樹と同時に散布していれば特に問題はないが、遅くまで新梢が伸びるので、アブラムシ類、ギンモンハモグリガ、キンモンホソガ、ハマキムシ類、シャクトリムシ類、斑点落葉病、黒星病の発生に十分注意する。

(ヵ) 育成期間中は強風で苗木が接ぎ木部から折れるなどの被害が懸念されるので、新梢が30cm程度伸びたら両端に支柱を立て、フラワ一ネットを利用するか、縄を張って結束する。新梢の結束は新梢を垂直に伸ばす上でも効果的である。

キ 苗木の掘り上げ
晩秋に苗木の掘り上げを行う。根の交差が著しいので根痛みをできるだけ少なくするよう根に土をつけた状態で各樹を分けて定植する




(2) 苗木の肥培法
苗木は2〜3年間肥培したものを栽植すると樹の生育がそろい、早期に結実する。また、苗木は品種、系統及び台木が明確で無病健全な苗を生産グループで1か所にまとめて共同育成することが望ましい。

ア 苗木の肥培園はできるだけ管理しやすく排水良好な場所を選ぶ。ただし、苗木の肥培に一度使用した場所を再度利用すると、苗木の生育が悪いので数年間は使用しない。

イ 肥培園に10a当たり苦土石灰300〜500kg、溶成りン肥150kg、堆きゅう肥4tを全国に施し、耕うん整地後苗木を植える。

ウ 植え付け距離は、2年苗に育成する場合は1.0×0.5m(10a当たり2,000本)、3年苗に育成する場合は1.5×1.0m(10a当たり667本)とする。

エ 植え付けした1年苗は地上70〜90cmくらいのところを切返し、それ以降の剪定は未結実期の要領で行う。

オ 肥料は植え付け直後には施さず、活着してから(6月ころ)10a当り窒素2kg相当量を施用する。翌年以降の施肥は次表に準じて行うが、追肥は8月末ころまでに行う。

カ 肥培園の除草は完全に行う。除草には除草剤を使用すると作業が省力化できる(「除草剤の利用」の項を参照)。

キ かん水、ビニールフィルムによるマルチングなどを行い、乾燥を防ぐ。

ク 苗木から結果樹齢に達するまでの病害虫防除は第U-10表に準じて行う。なお、アブラムシやギンモンハモグリガ、ク 苗木から結果樹齢に達するまでの病害虫防除は第U-10表に準じて行う。なお、アブラムシやギンモンハモグリガ、シャクトリムシ類などの発生が多い場合は、りんご病害虫防除暦を参考にして随時適正な対策をとる(「主要病害虫の防除」の項を参照)。
4) 栽植
(1) 新植または改植方法
ア 栽植様式とその後の取扱い
マルバ台などの普通台を用いた苗木の植え付けは、成園時には6〜9mの正方形または長方形植えとなるように行うが、初期収量を高めるためには最初、成園時の2倍程度の密度で栽植する計画的密植を行うのがよい。計画的密植においては、最後まで残す樹(永久樹)と途中で間伐する樹(間伐予定樹)とをはっきり区分して管理する。整枝剪定においては永久樹は最初から関心形を目指した樹形づくりをする。一方、間伐予定樹の場合は、心枝を強く抑制しないで主幹形状の樹形とし、必要であればスコアリングなどの対策も施して早期結実を促す。その後、間伐予定樹は永久樹の樹冠拡大の邪魔にならないように樹冠を漸次縮小し、最終的には抜き取る。抜き取った間伐樹は欠木の補植などに有効利用する。移植を予定している場合は、前もって春に根回ししておくと、その年の秋または翌春の堀上げが楽で移植後の活着もよい。堀上げに際してはできるだけ根を切らないようにし、庭木のように鉢上げできれば理想的である。移植時の剪定は通常の剪定より多少強めに行うが、極端に強く剪定する必要はない。また、移植後1〜2年は果実を全く成らせず、樹勢の回復に努める。この場合、果実で摘み取るよりは花の時点で摘み取った方が樹勢回復にはよい。



イ 植え穴の準備
(ァ) 植え穴は十分な広さと深さに掘り、必要な改良資材を投入して土壌改良を行っておく(「植え穴の改良」の項を参照)。

(ィ) 春植えの場合はできるだけ前年の秋までに植え穴の準備を終え、植え付け後に土が沈降しないように土を軽く踏む。

(ゥ) 新植及び改植に当たっては必ず土壌消毒を行う(「紋羽病、跡地消毒」の項を参照)

ウ 植え付けの方法
(ァ) 構え付けに当たっては必ず苗木根部の消毒を行う(「紋羽病、苗木の消毒」の項を参照)。

(ィ) 植え付ける際には根元に盛った土が自然に沈下したとき、接ぎ木部が地面よりやや高くなるようにし、深植えにならないように注意する。

エ 授粉樹の混植
(ァ) りんごは自家不和合性が強く、交雑不和合性も一部見られるので、和合性のある品種の混植が必要である(「授粉」の項を参照)。

(ィ) 授粉樹としての条件は、経済的品種で主力品種と同時期に開花し、花粉量の豊富なものがよい。

(ゥ) 一般的には列状混植がよく、主力品種2〜3列に授粉樹1列の割合で混植する。

(ェ) 3倍体品種(陸奥、ジョナゴールド、北斗など)は授粉樹として不適当である。したがって、3倍体品種を導入する場合は第U-4図のような様式で混植する。




オ 植え付け後の管理
(ァ) 植え付け時には必ず支柱を立てる。

(ィ) 施肥は「施肥」の項を参照。

(ゥ) 乾燥期には時々かん水し、年間数回降雨後に追肥する。

(ェ) 結実までの薬剤散布は「品種と栽植」の項を参照。

(ォ) 栽植後数年間は風雪害防止のため、越冬前に側杖の結束を行う。

(ヵ) 越冬前にはネズミやウサギの対策を行う(「鳥獣害対策」の項を参照)。

(2) 補植方法
ア 台木の選定
普通台園の補植では、永久樹はマルバ台がよい。欠木による空間を早く補充するために間植樹を数本植える場合はマルバ台又はM.26台などのわい性台木を用いる。

イ 補植苗の肥培
早期結実を図るためには2〜3年肥培した苗や間伐によって抜き取られた樹を植えるのがよい。ただし、大きくなった樹を移植する場合は移植前に根まわしを行い、植え傷みの軽減に努める。

ウ 補植の様式
補植の様式は欠木の状態で様々あるが、2〜3年肥培した苗木を補植する場合は1本植えでよい。しかし、1年苗の場合は空き地の程度に合わせて数本植える。その場合、間植樹は少なくとも7〜8年持たせて収量を上げるようにする。そのためには永久樹と間植樹との距離は4mくらいあける必要がある。なお、植付けにあたっては「植え穴の改良」の項を参照。

エ 補植後の管理
間植樹がマルバ台の場合はスコアリングなどの処理で生育の抑制と結実の促進を図る。

(3) 外科的手法による結実促進方法
栽植後、樹勢が強く花芽の形成が悪い場合は、外科的手法により樹の生長を抑制し、花芽形成を促進する。外科的手法は経費がほとんどかからず、中でもスコアリングは処理が極めて簡単である。

ア 実施方法
(ァ) 4〜6年生樹を対象に、満開2〜3週間後(5月末〜6月初め)に行う。

(ィ) 樹勢がやや強い場合は、環状又はらせん状にナイフによる切皮処理を行う。樹勢が強い場合は、環状又はらせん状に鋸による切皮処理を行う。樹勢が著しく強い場合は、スコアリング処理器などによる幅5mm程度のはく皮処理を行う。

(ゥ) らせん状に2周の処理をする場合は1周目と2周目の間隔を5〜6cmくらいあける。

(ェ) 処理後、傷口部分にはカルス形成を促進するバッチレート塗布剤を必ず塗る。

イ 実施上の注意
(ァ) 処理をする際、木質部深くまで傷をつけるとゆ合が悪いばかりではなく、場合によっては処理下部の樹皮が腐敗することがあるので、傷は必ず樹皮のみに付けるようにする。

(ィ) 乾燥する園地では樹が衰弱することがあるので注意する。

(ゥ) 処理翌年の着果量は幾分少なめにする。着果量が多いと隔年結果するだけでなく、樹勢が衰弱することもある。