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目次
普通栽培
1.月別主要作業
2.品種と栽植
3.整枝剪定
4.主要病害の防除
5.主要害虫の防除
6.農薬の安全使用
7.スピードスプレーヤによる
 防除効果をあげるために
8.授粉
9.摘花・摘果
10.袋かけと除袋
11.着色手入れと落果防止
12.収穫と貯蔵
13.土壌改良
14.水田転換園の土壌改良対策
15.土壊管理
16.施肥
17.生理障害対策
18.災害対策
19.鳥獣害対策
わいか栽培
1.わい化の目標
2.栽植までの準備
3.栽植
4.整枝勢定
5.一般栽培管理

9.摘花・摘果
摘花・摘果は果実肥大増進や品質向上、隔年結果防止、樹勢維持のために重要であり、いずれの品種も早期適正着果が原則である。省力化を期するとともに、摘果後の果柄(つる)からの腐らん病感染防止(「主要病害の防除、腐らん病」の項参照)のためにも積極的に摘花剤、摘果剤を利用し、早期摘果に努める。
1) 摘花
(1) 人手による摘花
果実になってから摘み取るよりはつぼみや花の時点で不要なものを摘み取った方が、果実品質向上や樹勢維持のためによい。また、摘花を行っておくとその後の摘果作業も楽になる。しかし、摘花をあまり強く行うと、降霜や開花期の天候不良などにより結実不良が生じた場合、必要な着果量を確保できなくなる恐れがある。また、マメコバチを放飼している場合は、餌(花粉)不足のため営巣数が減少する懸念もある。したがって、摘花は、降霜常習地帯や開花期に天候不良が予想される場合、並びに開花量が少ない場合は腋芽花の摘み取りに留める。上記のような危険が少なく、かつ開花量が多い場合、生育の弱い花そうにおいては1花そう中の全花を摘み取ってもよいが、生育のよい花そうにおいては中心花の他に側花も1〜2個残した方が安全である。
(2) 薬剤こよる摘花
薬剤による摘花は開花量が多く開花中の好天による結実が十分と見込まれる時実施する。摘花剤には石灰硫黄合剤を使用し、薬液は開花した花のメシべに十分かかるように散布する。



本剤はマメコバチに対しては害作用がないので、マメコバチ導入園でも利用してよい。ただし、ミツバチなど他の訪花昆虫に対する害作用の程度は不明である。
2) 摘果
(1) 人手による摘果
ア 摘果時期はいずれの品種においても早いほどよいが、実止まりや果実形質の良しあしが判別できない時期(落花10〜15日後頃まで)には一つ成り摘果を行い、それが可能になった時点から仕上げ摘果を行う。ただし、つがる、デリシャス系などのように年により早期落果の多い品種では、落花10日後頃までに一つ成り摘果を終える。仕上げ摘果は、陸奥では落花15日後(平年で6月3目前後)頃までに、その他の品種の場合は落花25日後(平年で6月13日前後)頃までに終えるようにする。なお、早い時期に一つ成り摘果をした樹では、仕上げ時期はこれより多少遅れてもよい。
イ 主要品種の適正な着果程度は下表のとおりである。ただし、これは標準の成らせ方であるので、樹勢など樹の生育状況に応じて加減する。特に、ふじの場合は過着果にすると隔年結果を起こしやすいので、成らせ過ぎないように十分注意する。



ウ 生長の強い立ち上がった枝を下げたい場合は標準より多めに成らせ、下げたくない枝には少なめに成らせる。
エ 成り枝が衰弱すると果実の品質が悪くなるので、下垂して弱った枝には標準より少なめに成らせる。
オ 原則として果実は2〜4年枝の頂芽に成らせる。
カ 摘果する際には、葉が数多く付いた花そうになった果実で、発育がよく、果梗が太く長いものを残すようにする。ただし、枝の下面に成ったものや、さかさ実になるようなものはできるだけ残さない。授粉した早咲きの中心花は、一般に発育が良好であるので残すようにする。
キ 無袋栽培においては有袋栽培より着果過多になりがちなので、随時園地を見回り、発育の悪い果実を摘み取る。
ク マメコバチを導入した園では結実過多になりがちなため、隔年結果が心配される。このような場合は人手による摘花、あるいは摘果剤の使用などにより摘果が遅れないように努める。
(2) 薬剤による摘果
摘果剤はミクロデナポン水和剤を使用し、薬液は果実に十分かかるように散布する。本剤散布による落果はおよそ散布10日後頃から始まり、以後l0〜14日問継続する。ただし、年によって効果の発現が遅れたり、不十分な場合もあるので、仕上げ摘果は遅れないようにする。